こんにちは
弟子の藤元です。
工房の入り口には
「蛍袋」という花が咲いています。
諸説あるようですが、
花の中に蛍を入れて遊んだことから
その名がついたと言われています。
工房に入る前には
大分で2年間過ごしました。
そんな大分には
いくつかの蛍の名所がありました。
その中の一つである
「ほたるの里 ほんじょう」
で撮った写真です。
蛍というと勝手に
儚い印象があったのですが、
蛍が発する光は強く、
里の一帯が心臓の鼓動のように
光っては消えを繰り返していました。
川のせせらぎに蛍の幻想的な風景、
忘れたくない景色だと感じました。
その里の周辺は街灯がほとんどなく、
川の水も澄んでいてきれいな状態でした。
自然を守るためには、
周囲の方々の協力や日頃の管理が不可欠です。
私たちも竹という自然素材を扱っています。
自然と共に生きるために、
自分にできることを少しずつしていこうと思います。
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6月8日(土)
本日の教室の様子です。
勉強会では茶の湯と竹工芸についてのお話でした。
千利休の逸話やたたかいの中で生まれた
3つの竹筒の花入れなど、
竹工芸と密接に関わる茶の湯の世界を学びました。
本日は3階にて、
アメリカでの一門展に向けて制作された
先輩方の作品の展示も行っておりました。
ご覧になられた教室の方が、
「同じ工房のお弟子さんでも
全く違う作品を作っていて、
誰が作ったのかがすぐわかる。」
とおっしゃっていたのが
すごく印象的でした。
伝統とは挑戦なり
工房の理念を胸にそれぞれ制作されています。
それらが作品にも
現れているのではないかと思いました。
私も私なりに作品の制作をしたいと思っています!
こちらでは、
張り竹の加工を小刀でされていました。
張り竹は籠を支える役割や、
平面になっている編み生地を立体的にするときに
押さえとして用いるものです。
銘を入れられている作品もあり、
制作者のこだわりが詰まっていることが多いです。
削っては測り、
削っては測り
の繰り返しです。
小刀の扱いは慣れるまでに時間がかかりますが、
徐々に削る際の持ち方なども
スムーズに取り組めていました!
こちらの方は漆塗りをされています。
漆が固まるには、
温度と湿度が重要だと言われています。
おおよそ最適と言われる温度と湿度は
以下のようです。
温度:25〜30℃
湿度:70〜80%
今の時期くらいがちょうど固まりやすい気候で、
逆に冬の時期は固まりづらいと言われています。
乾燥によって乾くのではなく、
空気中の水分と反応して固まるという現象も
不思議ではありますが、
漆塗りの技術は
縄文時代までさかのぼるのだとか…!
現代まで使われ続けている漆塗りの技術は、
塗料としてのよさがあってこそなのだと思います。
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そして、今回は体験の方が
2名来られました!
体験の方には
「世界に一つだけの花籃」
に挑戦していただいております。
底編みは四つ目編みという
シンプルな編み方から
スタートします。
四方からでているひごをみなさんの感性で
編んだり重ねたり、
結んだりするなどして
作り上げていくことになります。
使われているひごの本数も同じ、
底編みも同じ編み方ですが、
そこからの作品の広がりはさまざまです。
作り方に関しても、
どんなイメージで作るか想像して
考えながら作られる方、
手を動かして
試行錯誤して作られる方
など三者三様です!
そうして作り上げられた作品は、
タイトルの通り
「世界に一つだけの花籃」
となります。
今回作り上げられた作品はこちらです。
まず、一人目の方の作品です。
内側のS字の曲線が
竹のしなりを生かした美しい作品です。
対称になりすぎないようにと
工夫されていました。
続きまして、2人目の方の作品です。
窪みのある器のような形を目指して
制作をされており、
隙間が少なくなるように
ひごを分けて差し込むなどの工夫をされていました。
水引のような細やかなデザインの籃が
仕上がりました。
体験で作られた作品の飾り方も
置くだけでなく、壁掛けにしてみたり
フックなどで吊るすなどして
浮かせてみたりと
その形に合わせて
楽しみ方が変わるのも面白いですね。
教室の様子
【教室予定】
6月22日(土)
7月20日(土)
上記の教室日を予定しておりますが
状況により変更になる場合があります。
ご了承くださいませ。
【展覧会情報】
竹雲斎先生の展覧会ではございませんが、
勉強会でご紹介いただいた情報をこちらでもお伝えいたします!
昨年人間国宝になられた
宮本貞治先生の展覧会です。
木霊 宮本 貞治展 ―木に魅せられ50年―
■6月26日(水) → 7月1日(月)
■京都高島屋6階美術画廊
竹雲斎先生の叔父様にあたる
川端近左様の展覧会です。
㐂寿記念 六代 川端 近左 漆芸展
■6月12日(水) → 17日(月)
■京都高島屋6階美術画廊