2018年06月20日

"竹工芸"教室


皆さまこんにちは。
弟子の林です。

暑い日が増えてきましたが
皆さま体調など崩されてないでしょうか。

先日、京都の四条通りを歩いていると
祇園祭で演奏されるお囃子の音が聞こえてきました。

コンチキチンという笛や太鼓
鉦(かね)の音が作り出す
独特のこの音色を聞くと
京都の町もお祭りムードが高まり
本格的な夏の到来を感じさせます。

元々、祇園祭は
西暦869年、全国で疫病が大流行した際に
疫病退散を祈願したお祭りで
1000年以上前から続く伝統行事です。

この時に演奏されるお囃子は
疫病の元となる悪霊を呼び寄せる役割があるそうです。
祭りの本番ではこの賑やかなお囃子の音色と共に
様々な山や鉾が京都の町を練り歩き
その楽しい雰囲気に誘われた悪霊たちを
その日の内に鉾町に持ち帰り
蔵に封じ込めて悪霊たちを追い払うそうです。
遥か昔から人々の健康を願う切実な思いが
祇園祭として今日まで続いてきた事を改めて感じました。

今も昔も夏は体調を崩しやすい季節ですので
皆さまも健康には留意され
この夏をお過ごしになって下さい。



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【6月16日(土)教室の様子】

今日の教室は皆様ゆったりとした雰囲気で作業をされていました。


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この方は初級の第一課題の亀甲の立ち上げをされていました。
下の写真は籃の底に入れる張り竹になります。


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こちらの方は第一課題の亀甲を終えられ
次の課題である黒竹の四ツ目籃の制作に入られました。


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初級の第二課題以降、黒竹を使った課題が続きますが
これらの課題のひご取りは
全てこの様に小刀で厚みを揃え、
面取りも小刀で行って頂きます。


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これらの作業は普通であれば
銑(せん)という道具を使って一定に厚みを揃えたり
幅取り小刀を使って
ひごの角を落とす面取りを行ったりします。
その方が一定にひごを取ることが出来ますし
ひご取りのスピードも速いです。

ではなぜ小刀を使って削るのか。
そこにこの教室が竹細工教室ではなく“竹工芸”教室である
理由があると思います。

私はこちらで弟子入りさせて頂く前に
2年間大分で竹の勉強をさせて頂きました。
その間に大分や九州の他の県を回り
色んな職人さんと出会い、作られている物を
見させて頂く機会がありましたが
その中でも印象深かったのが
青物と呼ばれる農具などに使われる竹細工でした。

竹細工、青物と言うと歴史的にみると
社会的に身分の低い人々によって作られていたり
農家の方が農閑期に作られたり
程度の低い物として見られていた節があります。

しかし、私が出会った籠たちは
農具などの用としての要素を満たしているだけでなく
形や色、艶、その籠が持つ雰囲気など
決して工芸品にも劣らぬ
何とも言えぬ美しさがありました。
先生がいつも“味わい深さ”という言葉を使われますが
それに近いものをその中に感じたように思います。

先ほどの話に戻りますが
銑(せん)などの道具を使えば
一定にかつ速くひごを取ることが可能です。

その反面、誰が取っても同じ表情になるため
その人らしさを表現するのは難しくなります。

一方、手で削るのは時間がかかりますが
その分、その人の思いや個性を
たった一本のひごで表現することも可能です。

竹細工と竹工芸
どちらにも味わい深さがあり美しいものです。
しかし、それぞれの目的の違いから
作るものや技術、考え方が大きく異なります。
私はこの教室で、竹雲斎工房が初代から培ってきた
竹工芸としての技術、精神、伝統を多くの皆様に知って頂き
今後も守り繋いでいければ考えています。
今回の教室は自分にとってもそういった思いを新たにする教室の時間でした。



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【次回教室の予定】

7月7日(土) 7月21日(土)
8月4日(土) 8月25日(土)

8月は第1土曜、第4土曜日になっておりますので、お気をつけ下さいませ。
また8月4日の教室では工房にて流しそうめんをメインに
納涼祭を行いますので皆さま是非ご参加下さい。


【展覧会情報】
●「線の造形、線の空間」●
飯塚琅玕斎と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸
2018年4月14日(土)〜7月16日(月祝)


現在、東京の智美術館で開催されております「線の造形、線の空間」。
竹工芸の名家である田辺家、飯塚家両家の歴代の作品群、
竹工芸の過去・現在・未来をテーマに制作した
約7mのインスタレーション作品も展示されております。
6月より展示作品が総入れ替えとなり
後期展も見ごたえのある作品ばかりですので
一度ご覧になられた方もまだご覧になられていない方も
お近くにお越しの際は是非ご高覧下さいませ。


菊池寛実記念 智美術館
〒105-0001 東京都港区虎ノ門 4-1-35 西久保ビル
(最寄り駅: 銀座線・虎ノ門駅: 出口3より徒歩10分)
http://www.musee-tomo.or.jp



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●「空(くう)を割く 日本の竹工芸」●
2018年11月27日(火)〜2019年4月7日(日)

ケ・ブランリ美術館
37, quai Branly - portail Debilly 75007 Paris
(最寄り駅: 地下鉄 アルマ・マンソー(Alma-Marceau)駅、
ポン・ドゥ・アルマ(Pt. de l'Alma)駅、ビラケム(Bir Hakeim)駅下車。)
http://www.quaibranly.fr/en/(フランス語、英語のみ)


●「ART SEOSON 2018」●
2018年3月31日〜11月4日

The Domaine de Chaumont sur Loire. フランス ロワール地方古城
フランスのロワール地方にあるショーモン城という古城にて
ART SEOSON 2018という展覧会が開かれております。
今年で10周年になる2018年は、世界から15名のアーティストが招待され、
ショーモン城内・庭園などにインスタレーション作品を滞在制作。
四代田辺竹雲斎はショーモン城に隣接する近代農場の一室
に竹のインスタレーション「CONNECTION−根源−」を制作しました。

http://www.domaine-chaumont.fr/ja/homu(日本語あり)



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教室に興味のある方、申し込みご希望の方はこちらのページをご覧ください。
http://shouchiku-school.seesaa.net/article/210416974.html?1371962968
posted by 田辺竹雲斎 (Chikuunsai TANABE) at 21:15| 大阪 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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