竹の個体差

こんにちは、弟子の上杉です。

週末は雨も見られましたが、気持ちのいい日和が続きました。

夕方になると聞こえてくる子どもたちの声も増えてきたように感じます**


と、同時に、毛虫・イモムシが最盛期を迎えているようです。

刺すものは怖いですので、草木を触るときは特に、気をつけたいですね!




 6月 6日 (土)


今日は午後からお一人の方が体験に来られました。

うーん どうしようかな… と、
あれこれ触りながら仕上がりのイメージをまとめて行きます。

2015.06.06  (8).JPG



全体的に丸いフォルムを目指された末、
3方向から包まれたおもしろい空間が出来上がりました!


2015.06.06  (13).JPG


竹ヒゴの先端が 矢筈 のように切られており、 ちらり と惹かれるポイントがものづくりへの愛情を感じますね**

2015.06.06  (16).JPG



 * * *




その頃お茶室では、
お二人の生徒さんが 「巣籠(すごもり)」 という花籠の完成を迎えられていました!


2015.06.06  (11).JPG


「巣籠」は3つ目の課題になります。

1,2つ目の課題に比べ、材料作りも随分上達して来られたなぁという印象を受けます。

同じ編み方でも、つくる方によって少しづつ雰囲気が違ってくるのがおもしろいですね!





 * * *




またこちらは、その次の課題の材料づくりを始められた生徒さん。

どうやら割りにくい竹に当たってしまったようです...


2015.06.06  (6).JPG



竹は自然のものですので、必ず個体差があります。
その竹の育ってきた環境、切られた時期、水分・油分の抜き方タイミング等、考えられる要因は様々ですが、 ”ものすごく割りにくい竹” というのが希にあり、そういった竹を割る時は怪我をする可能性も増えるので、気をつけなくてはなりません。


「前に割った時はこんなに大変だとは思わなかったのに…」

と、ナタが入らない・均等にへげない ことに強いもどかしさを感じていらっしゃいました。

少しお手伝いさせていただいている中で、手の動きを比べて自分たちがどの様に竹を割りへぎしているのか分析していました!


頭ではわかっても…… そう、理屈はわかるんです。でも、上手くいかないからもどかしい。そんな時は、初めの間はそんな時ばかりですが、 ひたすら 数を成す しかありません。


生きものを扱っているんだ、ということを改めて感じていただけたのでは、と思います。 どんな竹とも仲良くなれるようになりたいですね!




…余談ですが、

先日テレビで放映されていた 辰巳芳子さん(料理家) と 川瀬俊郎さん(華道家) の会話でも、数を成す という言葉のある日本の素晴らしさが話題に上がっておりました。

ひとつひとつのことを、きちんと咀嚼して自分の中で分解し養分にできて初めて、身に付いた と言えると思います。
世上には 身体がただの管のように通り過ぎるだけで排泄してしまったものも多くあるように思えます。そうではないアウトプットが出来れば素敵ですね!!!***



教室に興味のある方、申し込み希望の方はこちらのページをご覧ください。
http://shouchiku-school.seesaa.net/article/210416974.html?1371962968

この記事へのコメント

  • 上杉

    幸雲さん

    コメントありがとうございます!
    そのように想っていただき、大変恐縮です。

    もうひとりの自分との戦いというのは、本当によく分かります。私も同じです。
    でもそれは、ものをつくっている人誰もが 少なからず持っている要素なのではとも思っています。

    これからも、自分に負けず 真摯に 向き合っていきたいですね!

    今回の制作も、楽しみにしております!!!*
    ありがとうございました。
    2015年06月09日 00:01
  • 幸雲

    とても含蓄のある言葉に感銘をうけました。

    私は咀嚼する以前に自分の心の中の妥協という怠け心を抑えるのに必死で、どちらかというと精神修養のような状態です。もうひとりの自分との戦いです。

    とはいえ、私も一歩進んで、よく咀嚼し身につけよりよいアウトプットができるようにありたいと思いを新たにしました。

    ありがとうございました。

    2015年06月07日 20:03

この記事へのトラックバック